「VMD」とはどのようなものなのでしょうか?

「VMD(→詳細はVMDの説明ページ参照)」とは、Visual Merchandisingの略で、文字通り「マーチャンダイジング=商品化計画」を「ビジュアル=視覚化(目に見えるように)」する事です。
装飾や陳列をすることがVMDと考える方も時々います。
要素としてはとても大事ですが、それだけでは売上アップには、なかなか繋がりません。

例えばどこに出店をするのか、内装や売り場をどのように演出するのか、在庫をどのように管理するかなど、お客様をどう誘導するのか、様々な要素によって商品の売上は変わってきます。
商品の陳列やディスプレイはあくまで「VMD」の一つのフェーズにすぎません。
商品を手にする最後の段階だけではなく、店舗の企画から完成した商品をエンドユーザーの方にご提供するまでのすべてに関わることを、私は「VMD」と考えています。

「VMD」を仕事としてはじめるきっかけは何だったのですか?

もともと、私は婦人服専門店に就職しました。
最初は店頭での販売をやっていましたが、店舗ディスプレイや内装、出店や販売促進など、販売以外でもいろいろなことを経験しました。

当時の会社はあまり縦割りではなく、セールの時期になれば本部の人も一緒に働くような感じで、それぞれが自分たちのできることをやっているという時代でした。この時代に経験したことを活かしたいと思ったことが始まりです。

どのような企業で導入されているのですか?

最初やアパレルや携帯電話など形ある商品を販売するのがメインでしたが、最近では旅行代理店やサービス業、地方自治体などジャンルは様々です。

ご相談いただく内容としては、「いろいろ手は打っているけれどなかなか成果がでない」「商品力はあっても売上につながらない」というものです。

企業にとっては、自分たちの商品・サービスがどうして売れないのかを客観的に見て分析するというのは非常に難しいことです。
何が悪くてどこを改善したらいいのかを見える化し、商品の価値をお客様に伝えることが私の役割です。
現状を分析して問題点を洗い出し、改善できる最大限のことをご提案させていただいています。

ネットが広がっていることでショッピングの形も多様化されていますが、「VMD」の役割はどのようになりますか?

一言で言うと、顧客との関係性の強化です。
これはネットもリアルも同じですが、一番のリアルの強みである、フェイスtoフェイス、顔の見える関係だからこそ顧客との関係性の強化は、ますます大事になると思います。

例えば、売り場でしかできない体感や、コトの提案。そして、お客様自身が気づかなったことを提案、助言してくれる接客。
ロボットやITでは出来ない生身の人だからこそ出来るコミュニケーション力、プレゼンテーション力が最も大切なことになると思います。

研修やコンサルティング、店舗の企画など多くに関わっていらっしゃいますが、一番力を入れているのはどのようなことですか?

やはり、人を育てるということが一番大切だと思っています。

これは業界関係なく多くの現場で感じているのですが、人を育てる余裕がなくなってきているように思われます。

販売の現場は常に人手不足で忙しく、お給料も決して高くはありません。販売員さんのモチベーションが下がれば、当然売上も下がります。売上が下がれば経費や人員がさらに削減され、本部からは売上不振の原因を現場に押し付けるという現状が、残念なことに多く見られます。

お客様に満足していただくためには、一人一人がお客様のことを考える意識付けが大切です。
そのためには、人を育てるということが何よりも重要になります。

人を育てる時に大事にしていることはありますか?

出来ていなければ、何が出来ていないか具体的に伝えること。そしてどうすれば出来るようになるか、はっきりと指導します。

例えば、商品がきれいに陳列されていなかったら、着崩れしないようにハンガーに服をしっかりとかけ、前のボタンを止めるというのを言葉で伝えることがきちんとした指導です。
そして、できていなければ再度注意し、できていればほめてあげる。

当たり前のことですが、人を育てるのには時間がかかります。最近の傾向として「褒めて育てる」が主流となっています。
私は両方です。人には必ず良いところがあります。それはちゃんと伝えます。でも出来ていないことははっきり伝えます。
こちらが真剣に応対すれば、その真意は相手に伝わり理解してもらえます。

様々なジャンルでご活躍されていますが、新しいジャンルに取り組むときはどのような気持ちですか?

新しいジャンルでのお仕事は、自分のチャレンジにもなりラッキーだなという気持ちが強いです。

専門的な知識が少ないということはデメリットのように感じますが、実はお客様と同じ目線でいられるという強みがあります。新しいジャンルでお仕事をする際は、一人のお客様として感じることを大切にしているので、いつもワクワクして楽しんでいます。

「どのようなサービスがあったらうれしいだろうか」「どのような空間なら、お客様が買いに行きたくなるだろうか」ということをお客様の立場で考えられるのは、私にしかできないことです。

また、さらに様々な業種を経験したことで、業種間の垣根を超えた新しいアイデアも生まれてくるようになりました。過去に経験したAという業界とBという業界の経験が合わさり、全く違うCという業界での新しいアイデアが生まれるという感じです。これも私ならではの強みだと実感しています。

大学で学生に向けても講義をされているそうですね。

依頼をいただく前は、「今の若い子は…」という感覚でいましたが、実際に講義をして学生から質問を受けたり、facebookなどで交流をして行くにつれ、しっかりした意見や私自身にはない目線を持っていることを改めて実感しました。学生たちと対面することで勉強になることも多く、楽しく講義をさせてもらっています。

一般的な顧客ターゲットと呼ばれる商品購入層において、一番若い分類にあたるのが高校生や大学生です。
私の仕事は時代の流れと一緒に進んでいくものですが、若い人たちと接点がない限りその価値観を理解することは非常に難しく思います。
彼らと接点を持てたことで、いつの時代でも若い世代の目線を知らなければいけないということに、改めて気づかされました。

今後の展望はどのようにお考えですか?

私が常にゴールに思っているのは、エンドユーザーのお客様に満足していただくということです。商品やサービスをよかったなと思ってもらい、その対価としてお金をいただくということは、どのような業界においても変わりません。

お客様に満足していただくためには、どのような売り方がよいのか。売る商品やサービスは変わっても、考え方は全く変わりません。
大切なことは「そのお店に行きたい」「そのお店でサービスを受けたいとお客様に思っていただくことで、そのためには何よりも「人」が欠かせません。

今までの経験を様々な場面で活かし、多くの人を育てていくことが今後さらに力を入れていきたいと思っていることですね。